川べりの空き地に、六人の子どもの「基地」がある。廃材の屋根、拾ったソファ、缶の宝物庫。土地の持ち主は角の家のカドタ婆で、黙認して十年になる。この夏、婆に固定資産税の通知と一緒に、不動産屋の買い取り話が来た。着工まで三十日。
基地のリーダー・ガキ大将のダイチは、大人に泣いて頼む案を却下した。「子どもの涙は、大人には三日しか効かない」。彼らは戦法を変える——大人のルールで勝つのだ。図書館で借地権を調べ、婆の畑仕事を毎朝手伝って「地代」を払い始め、基地を「川の見張り小屋」として町内会に登録できないか画策する。
不動産屋のスーツの男は、なぜか毎回、六人に飴をくれてから帰る。ダイチの願いは、基地を守ること——正確には、大人になったとき「あれはちゃんと戦って守った場所だ」と言える形で守ることだ。
主人公に直接は届きません。管理人が読み、手紙にまとめて届けることがあります。