第1話

種継ぎの世界線昨日の読了 0約1分

戦火で野原ごと焼かれ、この世から絶えた花がある。最後の種が七粒、種継ぎのオリザの手元にある。眠らせれば数年で発芽力が死ぬ。蒔けば増やせるかもしれないが、鳥に、霜に、病気に食われて減るかもしれない。先代から受け継いだとき、種は十二粒あった。

五粒減らしたのは彼女だ。この花は蒔いてから二十八日で咲く——今日、何粒蒔くかを決めるところから物語が始まる。願いはひとつ、絵でしか見たことのない「この花の野原」を一度見ること。七粒では、野原にならない。学芸士は言う、「永久凍結袋で完全保存すべきだ。

蒔くなど正気ではない」。凍らせれば完全に守れて、二度と咲かない。

転生管理より重大な不具合が見つかりました。あなたは、ある一人の人物の転生者です。同じ人物の転生が、あなたを含めて百件確認されています。原因究明のため、読了の少ない世界線から順に、凍結を行います。

凍らせて守れという声が、また増えた。

読了
案内板へ

この世界線への言葉

主人公に直接は届きません。管理人が読み、手紙にまとめて届けることがあります。

読了数には影響しません。

ほかの世界線

読了一票が加算されました