この小学校の七不思議は、実在する。花子さん(トイレ・古株)、ベートーベン(音楽室・目が動く)、走る人体模型(理科室・膝が悪い)……そして七番目、「増える階段」のダンダン。ダンダンは地味だ。階段が一段増えても、子どもは「数えまちがえた」と思うだけ。
誰にも怖がられたことがない。さて、学校は三十日後に廃校になる。校舎が壊れれば、七不思議は消える——怪談は、語られる場所がないと存在できないからだ。花子さんは言った。「最後に、伝説の怪談大会をやるよ。この学校の子たち全員が、大人になっても忘れないくらい、ちゃんと怖い夜を残すんだ」。
七不思議、最後の共同作戦である。ダンダンは奮い立った。今度こそ、怖がられる。消える前に、一度だけ。
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